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2010.5.19 アート部

ビジュアル版 般若心経 by[ch ART]〜松岡正剛氏

★ 記事画像が一番下に

松岡正剛氏率いる「編集工学研究所」(通称 編工研)の
プロジェクト「本座」で連載を始めることがほぼ決まりました。

ふとした縁で、同じ苗字の石黒荘明さんという
編工研の若手編集デザインディレクターと知り合ったのですが
今まで僕が残してきた、分類王としての本や記事を知っていてくれまして。
なんだろうか、同じことを考えている者同士、
共通言語でぴぴぴっとクリエイティブに関する思考がわかりあえました。
話をしていたら、なんと松岡正剛さんも僕の本をしっかり把握して
面白い本として編工研に何冊もあるとのことでした。
これは大変うれしかったです。
正直、松岡さんの言っていることをガツンと勉強したことはないのですが
「編集」という作業の持つ構造的思考とアーティスティックな事象を結び付け、
それを説いていくということにかけては
松岡さん、西岡文彦さんがすばらしいお仕事を残されていることは尊敬の至りです。
方向は違いますが、布施英利さんと、高山宏さんも、松岡さんや西岡さんに近い匂いの
僕がお仕事にしびれる方々です。

僕が以前作った記事の中でも、編工研の方ならもっとも好きであろう、
そして僕自身、口幅ったいようですが、
「正当に評価されていない」と思っていた(笑)記事が
『編集会議』(宣伝会議)で30回連載していた記事、「ch ART」です。
2001〜2004年ぐらいの間ですね。
あの花田紀凱さんが編集長だった頃、
「石黒くん、あなたのチャート、すごいオモシロイから好きに作っていいですよ」
と言われて、毎号2ページ、我が道を行くように丸々作らせていただいてました。
「chart と ART で ch ART」です。
キーワードは、<ロジックとアートとウィットの融合>。
僕の分類王チャートものは、
最初の本が「笑い」系だったのでどうしてもそうとらえられがちですが
もともとは、グラフィカルなものと、理論を結び付けるという、
僕の脳内的には限りなくアートに近いものなのです。
ですから、この雑誌ではいい機会なので、
アート方向の記事にさせていただきました。
その代りというか、文章は「編集者」向けにしてあります。
その時作ったチャートと編集者向けのキーワードを見立てて
編集者に必要な意識などについて書くという
これまたロジカルなスタイル。面倒くさいとも言います(笑)。
思いついたアイデアを、いったん手書きでラフにして、
TGBデザインの小宮山秀明さんに仕上げてもらってました。
小宮山さんとは、Number、BRUTUS、などのチャート記事、
ほか書籍たくさんでいつもタッグを組んでます。
僕のチャートのよき理解者であり僕の記事をリスペクトしてくれています。

この記事30回分すべてとほかもろもろの書籍や記事を、
石黒荘明さん経由で、松岡さんと30年間共にお仕事している
編工研の重鎮の方に見ていただいたところ、
「これはすごい!」とかなり盛り上がったいただいたとのことで
その後松岡さんにも見て頂きやはり高評価をいただけき
「本座」にて、本をテーマにしたチャートを作っていくことになりました。

その記事の中でも、もっとも世界に通じるアートだと自負するものをここに出します。

「ビジュアル版 般若心経 」です。
僕が 般若心経を好きになったのは、32歳の時。
雑誌編集者をやめ、1年間、警備員生活をしていた頃です。
朝から夕方まで立ちっぱなしで仕事する中、
忙しくない時は、頭の中がヒマになる。
そこで、その頃、読んだ瀬戸内寂聴の般若心経を覚えようと少しずつ覚えたんです。
2週間ぐらいで完全に諳んじられるようになったかな。
5年ぐらいはよどみなくすらすら言えましたが、もう忘れました(笑)。

そんな思い入れ深い般若心経をビジュアル化してみよう、
<そうすれば、日本人でなくとも理解できる!>
という漠然とした願いもマジでありました。

今はっきり覚えてないのですが、
たしか、アイコン化した漢字の種類自体は、80種類弱ぐらいだったのではないかと。
般若心経に出てくる漢字は、表意文字ばかりではありません。
サンスクリット語の発音を表音的に無理矢理漢字に置き換えているものや、
意味としてかなり遠回りなものもあり、
そのあたりが置き換えに際して悩ましいポイントでした。

なんだかんだで3日がかりで仕上げたこのチャートですが
小宮山さんも、僕の描いたアイコンをよくあんなに美しくしかもカジュアルに
かわいく仕上げてくれたなあと大感謝祭です。

見えにくいかもですが、般若心経の文と比べて
鑑賞して頂ければ幸いです。

一番わかりやすいところは、
1行目、<摩訶般若波羅蜜多心経>(仏説 は題なので含めず)
の下から2番目、<心>=♥マークです。





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